【2020年小学校高学年:青少年読書感想文全国コンクール課題図書!4冊を紹介♪】

【小学校高学年の部】 2020年
この書籍/本は2020年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書です。

ヒロシマ 消えたかぞく


読みやすさ:★★★★★
書きやすさ:★☆☆☆☆

「ヒロシマ 消えたかぞく」を読んでみた印象

高学年の推薦図書としては、文章量、ページ数ともに少ない、写真絵本です。
毎年ある「読むのがカンタン、書くのがムズカシイ」本と言えます。

内容は広島の原爆の話ですが、ほとんどのページを広島で生活していた
一家の日常や笑顔の写真が占めています。今となんら変わらない家族の紹介のようにも感じます。

だからこそ、原爆が落ちた後、家族がどうなったかの内容に衝撃を受けます。
この本はノンフィクションなので「この家族は、原爆で、一家全滅しました」
という事実は変わりません。

戦争や原爆がどれだけひどいものかを書いたものではありませんが、
たくさんの家族写真と淡々と伝えられる事実だけで考えさせられる内容だと思います。
「もし私なら~」「もし私の家族だったら~」という感想が書けると思います。

「ヒロシマ 消えたかぞく」(画像/JPG)テンプレート

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月と珊瑚


読みやすさ:★★☆☆☆
書きやすさ:★★★☆☆

「月と珊瑚」を読んでみた印象

沖縄でくらしている珊瑚と引っ越してきた月(るな)やクラスの友だちとの
出来事や、それぞれの問題をメインにした物語です。
文字数やページ数はそれなりにありますが、地の文は軽やかでテンポがよく、
会話文も多いので、それほど読み切るのがつらいものではありません。

登場人物もそれなりにいますが、それほど複雑な物語ではありません。
現代の日本の小学生の物語なので、感情移入もしやすいと思います。

随所に沖縄の問題(基地問題、戦争、貧困など)があり、
「もし私なら~」という共感や反発などの感想を書くことで読書感想文が書けます。
戦争をテーマにした物語は広島や長崎などが多く、沖縄の今も続いている問題を
子どもたちの視点で取り上げているので新鮮な印象はありますが、重くもあります。

※私、個人の感想ですが、漢字が苦手な主人公の一人称の物語の文章が、
ひらがな多めから、漢字が増えて、少しずつ勉強の成果が見えてきます。
読みすすめるうちに、文章の印象が変わってきて、最初と最後にある作文の
内容や漢字の量に主人公の成長が見て取れます。ステキなしかけだと思います。

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飛ぶための百歩


読みやすさ:★☆☆☆☆
書きやすさ:★★★☆☆

「飛ぶための百歩」を読んでみた印象

ページ数、文字数は多めですがそれほど難しい内容ではないです。
ただし、外国のお話なので登場人物の名前や名称などがわかりにくい・おぼえづらい
ものもあると思います。メインとなる登場人物はそれほど多くはありません。

主人公のルーチョの視点、鳥であるワシの視点など、前置きなく視点と場面が切り替わります。
それ以外にもルーチョの夢パートなど、読書に慣れていないお子さんは戸惑うかもしれません。
シンプルな構造のお話ではありませんが、ドラマチックな構成とも言えます。

主人公のルーチョの視覚障がいや友だちキアーラの問題など、お話の中にいろいろと
考えさせられる内容と、共感するもしくははじめて知って考えを新たにすることなどが
多く含まれていますので、読書感想文は書けるのではないでしょうか?

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風を切って走りたい!:夢をかなえるバリアフリー自転車


読みやすさ:★★☆☆☆
書きやすさ:★★★★☆

「風を切って走りたい!」を読んでみた印象

バリアフリーの自転車をつくる堀田さんのお話です。
ひとりひとりに合せた自転車を40年間で2600台つくってきたノンフィクションの物語です。
苦労や挫折をまわりの人の支援などを読みやすい文章で書いてあります。
むずかしそうな漢字にはふりがながあり、巻頭や本文中に写真などもあります。

自転車に乗れることをあきらめた人が、自分でも乗れる自転車に出会い、よろこぶ様子は
読んでいてとても共感をえる場面で、感想文にしやすいと思います。

とくに機械いじりやモノ作りが好きなお子さんには興味を持つところや共感できる部分も
多いのではないかと思います。

「バリアフリー」や「ノンフィクション(本当のお話)」という点に焦点をあてて感想文が書けます。
現在、実在する人々の物語なので、空想のお話より「ノンフィクション」を好むお子さんにオススメです。
障がい者やボランティアなどに興味があるお子さんにも、書きやすいポイントが多いお話です。

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まとめ

文字・活字を読みたくない人は「ヒロシマ 消えたかぞく」をオススメします。
圧倒的に文字数が少なくて、あっという間に読み終えます。ただし、感想文を書くには苦労します。

「月と珊瑚」は現代の沖縄の小学生たちの話なので、文字数・ページ数はあっても
理解しやすく、読みすすめやすい本です。会話の分も多いので、サクサク読めます。
「飛ぶための百歩」は外国のお話でページ数は「月と珊瑚」よりも少ないかもしれないが、
外国名と視点を切り替えながら語る構成は、読書に慣れていないお子さんは戸惑うかもしれません。

ノンフィクションが好きなお子さんには「風を切って走りたい!」が向いています。
バリアフリー自転車をつくる苦労と情熱が語られ、文字数が多いですが興味をもてる
お子さんに向いています。逆にファンタジーが苦手なお子さん向けともいます。

※感想文の本を決められない場合は、
今までの青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の課題図書