読書感想文の進め方
1:本を選ぶ
あまり考え過ぎない。
すごく感動したり、共感しないと感想が書けないわけではありません。
2:読書感想文テンプレートを見る
読書感想文に必要な要素をまとめたテンプレート(案内)です。
3:2をふまえて本を読む
(記入しながら読んでもOKです)
4:読書感想文テンプレートに記入する
(読みながら記入でもOKです)
5:記入した読書感想文テンプレートを見ながら、
原稿用紙に感想文を書く
※読書感想文テンプレートとは、読書感想文に適した質問やポイントがまとめられたものです。
※読書感想文テンプレートをすべて書きこむことができなくても読書感想文は書けます。
例えば「本を読んだ後に、自分ならどんなおうちを建てたいか
理由といっしょに教えてもらいます」と前置きをしてから、
「三匹のこぶた」を読んだ場合、聞く側にも違い(心がまえ)ができると思います。
読書感想文テンプレートは事前にどこに注目して話を読むのかをナビするものです。
もちろん、読書感想文テンプレートを読まないで本を読んでも、
ある程度記憶が鮮明であれば思い出しながら書き出せると思います。
読書感想文用の本の選び方
1:読みやすく、最後まで読み終われるか?
実は、最後まで読めなくても/読まなくても 感想は書けます。
でも最後まで読むことで感想が書きやすくなります。
課題図書以外なら、短い、読みやすい、漢字や専門用語が少ない、
理解しやすい、登場人物が少ない、設定がわかりやすいものを選びましょう。
2:好みのタイプか?
◆ 現実(ノンフィクション)ドキュメンタリー、伝記、戦争もの、歴史もの
状況を認識するのが大変ですが、情報量が多いと感想文の文字数がうまりやすいです。
日頃から興味のある分野であれば難易度は低くなります。
◆ 空想(フィクション)
世界観を理解するのは大変ですが、感情的な感想が書きやすく、想像力豊かな子に向いています。
登場人物に年齢、性別、状況が似ていると感情移入や比較がしやすく感想が書きやすいです。
3:適度の長さで、情報量があるか?
短編は読みやすいですが、感想文は書きにくいです。
ある程度の文章の長さがないと、場面、セリフ、人物などの情報量が少なすぎます。
短編は説明されていない(文字になっていない)部分を推測する必要があるので、
思った以上に、感想文を書くという点では難易度が高いです。
※短編用の読書感想テンプレートを作成しました。
インターネットの「青空文庫」はネット上で本が読めます。
読むのがラクな有名文豪の短編をサクッと読んで、
読書感想文テンプレートで感想文を半日で仕上げましょう♪
4:設定、状況、世界観が理解しやすいか?
魔法の世界、海外の物語、戦争時代など、理解するのに時間がかかると感想文を書くのも大変です。
そのジャンルの本を読んだことがある・興味があるという場合でなければ、できるだけ身近な設定の本を選びましょう。
ただし、「もし私が○○○の世界/時代/国にいたら、~だと思う。/~するのに」のように、
全体をたとえ話(想像/空想)で切り抜けることもできます。お子さんの資質によりますが…
「ありえねぇ~」「マジ無理!」と言うタイプのお子さんには向いていませんね。
5:誰に対しての文章か?
学校の先生や同級生に読まれる可能性のある文章なので、
大げさでわざとらしい文章ははずかしくなります。
自分らしい言葉で、無理のない感想文を書けるようにしましょう。
読書感想文をコピペや大人の代筆で行うと、後々困ることがおこります。
大人パワーの読書感想文がコンクールなどに選ばれると、かなりトラウマになります。
読書感想文テンプレートは、助力はしますが、お子さんの力で読書感想文を仕上げられます!
文字数を増やす方法
読書感想文テンプレートを作りながら、言うのもなんですが
テンプレートのすべての空欄を埋めなくても感想文は書けます。
「でも、埋めないと規定の文字数にならない!」 という
問題も発生してしまいます。
そこで、解決方法として
「得意な部分だけ集中していっぱい書く」方法です。
「読書感想文テンプレート」のページに記入例が2つありますが、
1:通常のもの原稿用紙2枚程度→約800文字
小学生低学年であればこれで規定に達しています。
2:エピソード多めの記入例
「お父さんをまっていた」という共通の体験=エピソードを
大量に入れることで文字数を満たす。
こちらは原稿用紙3.5枚程度。これを推敲すれば1200字になり、
小学校中学年・高学年の規定に達することができます。
(小学校低学年の課題図書なので、無理だと思いますが…)
—————————-
コツ★読み手にわかりやすく、イメージしやすく書くこと
【行動】したこと/言ったことに5W/1Hを足す
描写:いつ、どこへ/どこで、誰と/誰が、何を、どうした
理由:なぜ、どうして
記入例:お父さんに会えなくてさみしかった
→お父さんを見ただけで安心して抱きついた。
お姉ちゃんも抱きついた。お父さんは照れて、みんな笑っていた。
※「会えてよかった」「うれしかった」「ほっとした」と書くより、
その場面を描写した方が伝わりやすく、リアリティがあり、
文章にこなれている感があり、文字数が増えます。
【感情】思ったこと/感じたことに理由+比較を足す
理由:なぜ、どうして
お父さんがいる/いないで比較、家族と一緒の食事を比較など
比較することでわかりやすく伝えることができます
記入例:お父さんと別れるときお姉ちゃんのようにブイサインができない。
※「不安だった」「心細かった」と書くより、場面を描写した方が、
文字数が多く、リアリティがあり、読み手が考える余地があります。
【抽象的な表現】
具体的でない/考えや概念は、身近な体験/エピソードに置き換える
読み手もわかりやすいし、何が言いたいかシンプルに表現できる。
そして何よりも、文字数が増えます!
例:「みんなでいっしょにいることが大切」と書くより、
家族そろって食べる方が、何でも美味しい。
【感情を表現】
多様な表情/感情(笑う、泣く)を書きわける
笑うも「ガハガハと豪快に」「ニヤニヤと」「にっこり」など
そのときの表情、行動、まわりの反応などを入れると文字数増!
記入例:(本当は不安で「平気」ではないから)
お姉ちゃんのようにブイサインも笑顔もできない。
【五感を表現】
見ため、触った感触/温度、におい、解放感/圧迫感、
食べたときの味/温度/舌触り、音、振動などを入れる
記入例:川遊びのとき、太陽はあついのに、川の水はつめたい
夜ねるとき、カエルと虫の声が聞こえる、など
おまけですが、
2のエピソードを大量投入する方法のよい点は、
「~と思った/~と感じた。なぜなら~だから」という気持ちを
ことばで表現するのが苦手なお子さんに向いているところです。
時間をかけずに書く方法
自分の「体験」や「好き」をからめて書くと、
意外とサクッと書けます!
「読書感想文テンプレート」のページより
起承転結の流れで、
起:待っているときはさびしくて、心ぼそい
承:夏休みの体験=エピソード
転:お父さんと会えるとうれしい
結:みんなでいっしょにいることが好き
というシンプルでわかりやすくテーマが一貫しています。
コツ★書きたい/好きなことをテーマ=感想とからめて書く
こちらが「はこぶ(2015)」の読書感想文テンプレートです。
ここでのりもの大好き小学生A君とB君を登場させます。
2人は本を読むのはそれほど好きではありませんが、
読書感想文を書くのは大の苦手!(仮定) だとします。
でも、二人は「のりものが大好き!」なので、その点を強調します。
記入例:スピード感のあるもの大好き!A君
文字数:60行、原稿用紙約3枚
「はこぶ」を読んだ感想文なのに本の内容に触れていませんが、
速く走るのりものの魅力について語り、文字数は十分です。
記入例:工事現場の重機大好き!B君
文字数:63行、原稿用紙約3枚+3行
パワー系の重機の魅力を熱く語っていますが、
本の内容にはそれほどふれていませんが、文字数は十分です。
多分、B君の場合、重機の長~い名称を書くとさらに文字数が
増えていくと思います。逆に推敲で削る必要があるかもしれません。
最初の人力車~のところは、削っても大丈夫かもしれません。
この2点の事例の共通点は、
好きなもの&書きたいテーマ=「一番言いたいこと」が
とても近い場合、ほとんど「自分の体験=エピソード」を書くことで、
文字数を稼ぐことができるということです。
なので、お子さんが本を読む前、読んだ後、感想文を書く前に、
ヒアリングをさりげなくしましょう。
強引なヒヤリングは尋問です。あくまで、さりげなく…
「〇〇〇(主人公)と同じ経験があるか?」
→どんな経験?いつ?どこで?…..
「〇〇〇(主人公)と同じ気持ちになったことがあるか?」
→どんなときに、その気持ちになったの?
「〇〇〇(主人公)と△△△(おこさん)は似ている?」
→どんなところが、似ていると思ったの?
意外と読書感想文から離れてしまっていても、
テンプレ気味の感想文をたくさん読まされている
学校の先生には新鮮に感じるかもしれません。
とりあえず、
既定の枚数を書き上げることが最優先です!